不織布は、布を織るのではなく、繊維を絡めて作り出すシートです。PT.SNIでは、高圧水流で繊維を交絡させるスパンレース不織布の製造を行っています。この不織布は、バインダー(接着剤)を使用しない点に大きな特長のある製法で、衛生面を重視される医療用不織布製品などに使用されます。
スパンレース不織布の製造には、不織布そのものへの深い理解と最新鋭の製造ラインをマネジメントする高い技術力の両輪が必要です。高品質の製品を安定的・継続的に製造するノウハウはシンワ株式会社が長年培ってきたもので、PT.SNIにしっかりと継承されています。
主な原料は、レーヨン、ポリエステルをはじめとする「原綿」です。一塊が200〜300kgあり、繊維メーカーから供給されます。求められる物性に応じて、数種類の原綿をブレンドして使用する場合もあります。
塊状の原綿をほぐし、混ぜ合わせ、配合・重量を均一な状態にします。
これによって次工程(カーディング)に適した原料となります。
配合や重量が均一になった原綿は、カーディング工程にて歯形状の金属ワイヤーを巻き付けた複数のロールを通過することでシート状になります。このシート状の綿を「ウェブ」と呼びます。均一なウェブをつくることがカーディング工程でのポイントで、ここでもシンワの「技術力」が発揮されます。
カーディングを終えたウェブは、まだ繊維同士が結びついていない状態です。このウェブに高圧水流を当てて繊維を交絡させることにより、強度を持ったシートへと変わっていきます。
シートの水分の乾燥、熱融着(芯鞘構造)繊維の溶融接着等を行います。
乾燥工程を終えた不織布は、異物混入が無いか検査機によって厳しくチェックされます。
検査工程を終えたシートは任意の幅・長さで巻き取ります。
PT.SNIでは、シンワ株式会社の工場経験者ら6名を駐在員として配置し、日本と同レベルの品質管理体制による製品製造に取り組んでいます。各機械のメンテナンスはもちろん、製造ライン全体のマネジメント、さらには工場環境維持の観点から、工場内温度・湿度管理、陽圧管理、作業員の服装や入室規制などの管理、防虫対策等々を実施。また、品質管理体制基準・5Sへの取り組みなども併せて実施しています。
ISO9001(品質マネジメントシステム)
顧客に品質の良いモノやサービスを提供すること、つまり「顧客満足」を目的としたシステムの国際標準規格です。
ISO14001(環境マネジメントシステム)
会社を取り巻く地域の方々(利害関係者)のために悪影響を与えないようにすること、つまり「環境保全」を目的としたシステムの国際標準規格です。
経営基本の「進歩」と「調和」を追求する中で、両立を目指しているのが「顧客満足度」と「環境保全」の達成です。そのためには社員全員が心をひとつにして、この二つの目標の重要さを深く理解するとともに、達成へ最大限の努力を心掛けます。細心の注意を払いながら、日々生み出している高品質の各種製品をお客様に安定供給することは、社員一人ひとりにとって何よりの誇りであり、働く意欲の源泉になっています。
イスラム法において合法なもののことをハラール(halal)といい、非合法なもののことをハラーム(halam)といいます。そして、最近ではそれ以外のハラールでないもののことを非ハラール(non halal)と称することもあります。
当社が不織布を生産しているインドネシアは世界でも最大数のイスラム教徒=ムスリム人口(2016年推定:約2億2500万人)を誇ります。また、インドネシアを含む東南アジア諸国にはイスラム教を国教とするマレーシア、ブルネイに加え、タイ、シンガポールなどにも同教徒がおります。これら諸国では近年の経済成長下、中間層の拡大に伴い、生活様式にも多様な変化が見られ、HALAL認証の取得は事業構築・発展への必須条件のひとつ。HALAL認証に基づき、ムスリムの方々にも安心して使用していただける製品づくりに取り組んでいます。